ガールズ&パンツァー劇場版 オリジナルサウンドトラックを聴こうじゃないの(後半)

「華さん、食べてるけど食べきれない感じで箸を進めてください!」「や、やってみます」
さて、こちら前回の続きです。
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浜口さんインタビューなども参考にしながら、ガルパン劇場版サントラの音楽そのものや、ときに音楽が伝える別バージョンを想像して楽しんでみよう、という趣向です。えーっと前回は「学園十色です!」まででしたね。さあ役者がそろって、いよいよ戦闘開始です。

ガールズ&パンツァー 劇場版 オリジナルサウンドトラック

ガールズ&パンツァー 劇場版 オリジナルサウンドトラック

Disc1(続き)

18. アンコウ干しいもハマグリ作戦です!

例の作戦会議、そして遊園地に向かうところで使われていたようです。あそこさ、会長の福圓さんリアルな干しいも食べながらの演技が巧すぎて「アンコウ干しいもんまぐい作戦でいいんじゃない?」とよく聞こえないんだ。茨城のアンコウ干しいもは知ってるけどハマグリ?と思ったら鹿島灘ではハマグリも名産らしいね。

鹿島灘ハマグリは汀線蛤(チョウセンハマグリ)をブランド化した名称です。 一見、外来種と思われるかもしれませんが、日本古来の純国産ハマグリです。

鹿島灘はまぐり(大洗観光協会 よかっぺ大洗)
汀線=波打ち際ってことね。大洗のマスコット、アライッペの鼻もハマグリだった。

さて曲は、浜口さん曰く「大きな違いでいうと、今回の楽器編成では、シンフォニックサウンドには欠かせない楽器のホルン」を冒頭から使ってますね。やっぱり遠くに聴こえるような音、ということでユーフォニウムより雄大な感じが出るのかしら。ここの1:00付近のメロディ、ちょっとガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」に似てるね。(4:13あたり)
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重苦しい曲だけどあんなふうにコミカルでもある会議に使われるあたりがガルパンらしさを象徴しています。

19. まるで西部戦線みたいだと優花里さんが言ってます!

このタイトル、多分一生忘れないわ。そうかー、言ってますかあ…。仲良しですなああんたら。
これは30台の戦車が美しい直線の軌跡を残しながら行進してぐーっと俯瞰しながら西住大隊長に近づいてくるあたりですね。ほんと雄大だし、あの、IV号1台だけで「これで、いけるかも」って言ってたところからここまで仲間が増えた、と思うと感慨深いものがあります。ラジオで渕上舞さん、「今度はね、大隊長になったんだぞ」って自慢してた。かわいい。

これも戦車道行進曲モチーフが使われてます。そうそう、TVシリーズでは使われなかった戦車道行進曲のイントロを活用してみた、みたいなこと言ってますね。たしかに「どん、どどん」要素が重なってる。
0:50からはストリングスで戦車道行進曲モチーフの変奏になります。華美な装飾を施してあって。「ドミソー、ソッドソー」だったのが「ドレミファミレソー、ソッドソー」だって。
この、元は同じメロディが姿を変えながら発展していく姿は、素朴な炒めご飯がヨーロッパでピラフ、リゾットやパエリアになるような、また一方ではチャーハン、またジャンバラヤ、炊き込みご飯と発展していくようなもんです。作戦会議での「フィッシュ&チップス&ビネガー作戦」とか「グリューワインとアイスバイン作戦」もそのあたりの人類の食の発展に敬意を表したやりとりに違いなく、混成の大部隊にふさわしい曲でありましょう。(まとまった)

あ、そう、「ガルパンの曲って、どれも似たような曲だなー」と思いつつあまり意識してなかったひともいるかもしれませんが、実は同じモチーフが展開されてるんですね。(こういうの、劇伴などには結構よくある) この後もまだまだ、戦車道行進曲モチーフは他の姿に発展していくのです。

20. ジェロニモです!

カチューシャことカッちゃんが、今度はジェロニモと呼ばれつつ頑張るシーン。自動車部って「観覧車先輩」とかちょっと他のチームにはないマイペース感というか、面白い煽り属性あるよね。

この曲大好き。作曲家って、まあプロなら当然かもしれないけどすごいなあって。西部劇の音楽作って、って言われて(まあ過去作を調べて参考にしたりはするんだろうけど)ぱっとできるんだ。伸ばし気味で5度ジャンプを多用したメロディと「ジャッジャッジャッ」の和音、ホルンの「ぱぱぱぱーぱぱぱ」で西部劇になるんだ…。ここも、もっとむちゃくちゃな戦い方をもっと見たかった。荒野を疾走するカッちゃんと自動車部とエリカの戦車たち。

21. 待ち伏せします!

知波単です。「待ち伏せ」といえば昭和のひとなら石川仁美とか松任谷とか出てくるんでしょうがまあ本来はこういうものだった。もうここへ来て明らかですね、この和太鼓と拍子木を知波単のテーマにしようと。あんまり和風を強調しすぎると清酒のCMっぽくなってしまいますが。

22. 知波単、新たなる戦いです!

先ほどの待ち伏せは打楽器だけでしたがメロディが入ってきた。「知波単学園、戦車前進!」のメロディですね。ガルパンの面白いところは、極端に暗く作るとかえってギャグになってしまうという。後ほど出てくる「決断します!」の悲劇的展開と好対照です。

23. 好敵手です!

大学選抜側の作戦指示シーン。ちょっと忍者っぽいですよね。なんか、西住流は武士っぽいんだろうけど、西住流-島田流が伊賀忍者vs甲賀忍者みたいな感じもある。この、クラリネットが奏でるメロディ、「孤高の戦車乗りです!」と同じですね。気づいてた?あっちはピアノ・ソロなので随分雰囲気違うけど。
0:56あたりから、やっぱりこっちはこっちでかっこいいんですよ。相手チームにも必ずかっこいいところを用意する。それがガルパンだから!
レ、ミ、ファ、ソ、ラ、ソ、ファ、ミの伴奏もちょっとマイルスっぽくてかっこいい。

24. 長距離砲です!

で、でたー!7.5倍とも75倍とも言われるカール自走臼砲ですね。使われたのはあさがお敵襲と大洗包囲のところだって話ですが、でも曲的にもタイトル的にもこれカール発見の気持ちで作ってるよね。結局映画では「挟まれそうです!」と入れ替わって使われたんじゃないかな、想像ですが。
「もうとにかくでっかい、戦車というより大砲なんですよ、とてつもない。それが茂みの奥でずどーんと発見される感じでなんだありゃ感出してください」なんて発注だったんだろうか。よく表現したものだと思います。チリチリ、ちりめんヴァイオリンに主旋律バストロンボーン、ホルン、トランペットなど金管楽器のダークサイドを全面に出して。

25. 挟まれそうです!

劇場版本予告で死ぬほど聴いた曲ですね。GloryStoryに続くようにもう耳ができている。
こちらがカール発見のときに使われているらしい。ああ、確かにあの無人で装填してるところの禍々しさに合うようにも思います。
他の曲より三連符を多用している印象が強い。0:24のトロンボーンによる「ずばばばばば」とか。2の倍数系のリズムに別周期の3で割ったリズムを入れて乱し「不測の事態」を演出していますね。曲としてはやっぱり戦車戦で予想外の展開になったあたりを想像していたんじゃないかしら。
低音のメロディはDFEbD, CBCA。Dのコンディミかな。まあ平たく言うと緊急地震速報みたいな不安定な和音です。

26. 無双です!

このイントロのホルン乱舞な感じ。恐ろしい無敵兵器につきものの音楽ですね。T28の登場の印象が強いけど、メロディは「孤独の戦車乗り」「好敵手」モチーフだ。1:15とか、ところどころメジャーに転調したりして、ちょっとヒーロー側にも聴こえる。今度はありすみほのボコ連合を期待してしまう。この曲に乗って助けにきたら相当頼もしいぞ。

27. 決断します!

最大の泣き所。もうすべて申しますまい。「プラウダのために!」
このシーン、そしてカチューシャについては稿を改めて考えてみたい。
曲はロシアのクラシック風とのこと。個人的にはアランフェス協奏曲を思わせるような哀愁を感じてしまうけどこれはマイルスの聴き過ぎ。終盤の太鼓連打が、もうのっぴきならない切迫した状況を感じさせます。

28. 劇場版・緊迫する戦況です!

TVシリーズでも、日常や序盤の代表が「戦車道行進曲」、決戦の代表がこれ、そして勝利の代表が「アンセム」だったわけですが、いずれも戦車道行進曲のモチーフなんですよね。この曲では短調に変化している。
もう、今までのいろんなシーンが目に浮かびますよね。急に方向転換するIV号をまずイメージするなあ。決勝戦かな。
ストリングスが「チキチキバンバンチキチキバンバン」言ってるところも緊迫感を煽ってきて、これはノンナが「あと一輌…」って言ってる。
しかし今回の劇場版のすごいところは、このバミューダアタックのシーンよりもさらに緊迫した試合になるところよね。

29. 冷静に落ち着いて!

「卵の殻の上を歩くような」という形容がありますが、無言のダンスシーン。かえって静かに聴こえる。超信地旋回ってほんとすごいね。あのみほのドリフトが効かない。次元の違う戦車なんだ、ってことを動きだけで理解できる。
アズミが「しまっ…」みたいに振り返るところもすごく印象深い。あの華さんの肩に手を置いて不安定な態勢から撃破するところ。まさに「冷静に落ち着いて」。沙織さんだけは「お、落ちるぅ~」とかしがみついていそうだけど。前の方に座ってるし。

これも「戦車道行進曲」モチーフなんだ。BEB~、CFC~, C#F#C#~と半音上行で緊迫感を煽る。キーが元の戦車道行進曲Fの裏コードBなんだね。後ろの「ピキピキピッ、ピキピキピッ」とモールス信号みたいな音も。

30. ヴォイテク

実在のポーランド軍にいた熊らしいね、ヴォイテク。イメージが固定し過ぎた戦車道アンセムを変えてきた。ついにチャーハンがひつまぶしになったっていうか、いやごめん比喩がうまくなかった。もっと壮大な感じなの!
いや、感動的にアレンジされている。同じ曲なんだけど、全く別物のようにも聴こえる。こういうのがアレンジを楽しむ醍醐味ですなあ。

1:10あたりからの、メインのメロディから少し離れて、ホルンの気持ちになって裏のメロディを追いかけてみよう。こちらもいいメロディなんだ。
そして本領は1:30からの、CM7 Bm7 Am7 Gかな、ちょっとアレンジされてるかもしれないけど4321のコード進行。これね、数々の泣かせ系で使われてきた由緒正しい切ないコード進行なんだ。大好きだ。
サクラ大戦4のラスト、米田さんが「咲いて散る、桜の花。サクラ大戦かぁ…」ってつぶやくような慕情があるよね。わからないひとは太正時代のひとに聞こう!翻訳するとラストで実は歴戦の勇者だった麻子のおばああたりが喜ぶ西住姉妹らを見て「やれやれ…ガールズ・アンド…パンツァーだねぇ…」なんてしみじみつぶやくようなもんです。

31. 劇場版・乙女のたしなみ戦車道マーチ!

劇場版ではサンダースが戦車を返却するところですか。あそこ、もっと時間があれば感動的になったと思う。戦車への愛着みたいなのも回想シーン入れたりしてね。そして再開、っていう流れだったんじゃないかなあ。
というわけでこの曲で1枚目はおわり。CDの構成として、最後は明るく締めたかったのかな。あ、そういうのはあると思うんです。ただ劇場版に出てきた順というわけではなく、サントラCDという商品として、こういう順番で聴いてほしいというのは。今だと1曲ずつピックアップできちゃうけど。

Disc2

01. おいらボコだぜ!

2枚目いってみよう!唯一のボーカル曲ですね。作詞が脚本の吉田玲子さん、作曲が水島監督だという。監督、こういうコミカルな音楽好きだね。ちょっと西部劇的でもある。場末の遊園地、っていうのになんか思い入れがあるんだろうか。そういえば、あの最後の戦場、初回に見た時ボコミュージアムかと思った。まあそうだったらみほさん戦えないだろうけど。
作曲ってこういう場合どうするんだろう。浜口さんところに適当に歌ったテープが送られるとかなのかな。詞先…いや曲が先のような気がするなあ、実際はわかりませんが。
歌は藤村歩さん。メグミ役や、イカ娘では栄子やってたひとですね。セリフを挟んでだんだん逸脱していくのがいい。おっと、劇中島田さんちのありすが歌うのも良かったですね。あの、「隊長が歌い出した!」で全体的にコミカルな気もするけどツッコミようがない感じ。それがガルパンだから!

02. Sakkijarven polkka

出ましたよ、カンテレの演奏。この曲人気あるなあ。ちょっと(楽器はアナログだけど)他の吹奏楽、オーケストラ曲より固定の刻みで音色含めエレクトリック感があるので、デジタル世代が一番ほっとするのかもしれない。
もちろん劇中の継続高校無双が最高に良かったのもあるでしょう。能登麻美子も実にかっこいいし、ミッコもスーパードライビング。「天下のクリスティー式なめんなよ!」はしびれましたね。履帯がなくても爆走できるんだ、という純粋な驚きとともに。
カンテレ、5弦から39弦までバリエーションがあるらしい。ミカのは10弦ぐらいに見えたなあ。冒頭のところで、弦がところどころ錆びているように見えるのが細かいと思った。この演奏では各弦をミュートせずサスティーンしてるね。そういう奏法なんだろうなあ。

このカンテレ奏者あらひろこさんが、ブログでガルパンに触れています。
KANTE-Letter - kanteleの記事一覧

カンテレを弾くのは継続高校のミカさん。カンテレを弾く指の動きなども、ものすごく正確に再現されています!

いやあ、演奏内容も素敵でした。考えてみると、こういう楽器、こういう曲を探しだす可能性もインターネット時代ならではなのかもしれない。一昔前なら専門家でもない限りそこまでアニメスタッフが調べきれないでしょう。

曲は後半、2:11あたりからヴァイオリンとも絡み始めて、このヴァイオリン側のメロディも聴きどころよ。ちょっと、ジャズヴァイオリンのステファン・グラッペリっぽくもある。伝説的ギター奏者ジャンゴ・ラインハルトと共演してるやつね。
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戦闘最期にミカが、「それではみなさん、幸運と健闘を祈ります!」で締めるけどあのシーンその直前の撃破してほっとした顔からぱっと切り替わるので、もしかしたらミッコか誰かの一言があったのかなあ…などと思ったりもします。

03. 雪の進軍

秋山殿とエルヴィンの偵察の歌が、豪華になって帰ってきた。イントロにラッパ(ホルンやトランペット)の音が出てきますが、わたくし、おじいさんが軍隊のラッパ吹きだったんだそうで、そういえばトランペットが最初に買った楽器だったなあ。まあ関係ないですが。
ラッパの音を「トテチテタ」などと呼びますがこれ、音符と一対一対応してるのだそう。ラッパはピストンがないので低い音からドソドミソ…しか出ない(倍音列といいます)。その音を「ドトタテチ」と名づけて覚えろと軍隊では指導したらしいですね。だからこの雪の進軍イントロのメロディは「トタテタテー、タテ チチテチテー」になるんだと思う。覚えやすい、のかもしれない。

メロディもペンタトニック(ドレミソラ5音しかないスケール、ドレミファソラシドの4番目と7番目がないので「ヨナ抜き」ともいう)に乗ったシンプルなものです。だからなのか、これ耳に残るんだよね。映画見たあと「ゆきーのしんぐん」って口ずさむことがあった。

アフリカなどでもペンタトニックを使った音楽は世界にたくさんあるのに、日本風に聴こえるのは不思議だなあ。音の使い方なんでしょうが。そうそう、ペンタばっかりといえば演歌ですがこれは1960年台、かなり最近の発明で別に古くからの日本人の心、ってわけでもないっちゅう話ですね。そういえば織田信長伊達政宗津軽海峡冬景色とか歌わなそう。

04. アメリカ野砲隊マーチ

アリサの「キターーーーッ!」だよね。実に派手で頼もしくて、アメリカン。0:54、サビからリタルダンドして変化をつけたりするか…とおもいきや、小太鼓から木管に持って行ったのね。まあそうしちゃうと「星条旗よ永遠なれ」になっちゃうか。

05. Home! Sweet Home!

劇中ではダージリンたちが電報で連絡している試合前夜で使われています。タイトルからして、エンディングとして当初用意したのかもしれない。だから、やっぱり「希望の光は絶対にきえません!」が浜口ワールドでは試合直前のドラマすべてなんだ。…と思う。
piece of youthも素敵曲だけども、ちょっとこの、波間に漂う大洗女子学園艦を、この曲に合わせて想像してみてもいいんじゃないかな。
そして同時に、西住まほみほの実家も。他のメンバーもそれぞれ家に帰っていく。そんな演奏だと思います。

06. When Johnny Comes Marching Home

T-28が出てくるところですね。もどりなさいローズヒップ
浜口さん「これはアメリカ民謡なので、TVシリーズのパターンでいうとアメリカ的な学校のテーマになりそうですが」大学選抜は米軍のパーシングが主体で、つまりサンダース卒業生がたくさんいそうなチームでした。
この曲は「塀の中の懲りない面々」が特に印象にあるなあ。ジョニーが凱旋するとき。勇壮だけどちょっと暗いんだよね。アメリカ野砲隊よりも大人だ。でも、悪役ではないよね。

07. パンツァーリート

さて長く続いたこの鑑賞会もいよいよこれでしめくくりです。
ほんと戦車のためにあるような曲。黒森峰だけじゃなくて、特別編成大洗女子の象徴になっている。これ劇中で使って欲しかったなあ。合うシーンないけど。あったとしたら、もうこのアレンジは進軍とかじゃなくて凱旋だよね。30台の戦車がパレードしているよね。

パンツァーリート、Wikipediaを見ると元は漁師の歌で、戦後も歌われていたそうだけど「ドイツ連邦軍の歌集に親衛隊の歌が収録されているのは」どうか、と削除された曲だとか。

2006年、ドイツ連邦軍参謀総長が来日した際、自衛隊の音楽隊はこの歌を歓迎会で原語の歌唱付きで演奏し遠来の賓客を驚かせた。その後、陸上自衛隊音楽隊では「パンツァーリート」を演奏する伝統が生まれた。第1師団の音楽隊や、東部方面音楽隊がこの曲を定期演奏会で何度か演奏した。
この歌はドイツ以外の国の軍隊にも採用され、一例としてフランス陸軍の第501戦車連隊は行進曲として、また同国の外人部隊は「Képi blanc(ケピ・ブラン)」という軍歌のメロディーとして用いている。

パンツァー・リート - Wikipedia

これで思い出すのは、前回触れたガルパンのオーケストラコンサート。指揮者栗田博文さんがこの曲でみんなに手拍子を要求したの。
聴衆がおずおずと、そして次第に手拍子が熱を帯びていった。これね、指揮者さんの「いい曲じゃないですか、楽しみましょう」って言ってるような、ガルパンそのものも「良いアニメなら遠慮無く、いいぞって言っていいんですよ」と言われたような、気持ちのいい出来事でした。

おわりに

まあラブライブとか歌メインのものはもうとてつもない人気でしょうけど、ガルパンTV版もアニメサントラとしてはかなり突出して売れたそうです。いややっぱり、いいもんなあ。音楽CDとして楽しめる。そして今回は劇場版のサブテキストとしてもいい。いい買い物しましたと思います。大事になさってください。

いや他のアニメのだって、いいものはたくさんあると思うんですよ。モチーフ、テーマをどうアレンジしていって、どう音に表そうとしたか。大体感情をコントロールするのに、絵や動きの演出や声優さんだけでなく劇伴って相当に重要です。そのメカニズム。さらに、劇伴といえどもその中だけで様々な楽器やメロディ、リズムがもうひとつのドラマを作っている。実に楽しみ甲斐のある世界です。
楽しみましょう。